配送員設置 インドネシア・希少! パプア州の“結納金”だった子安貝の帯 その他

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最終更新 2024/07/29 UTC

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インドネシア・パプア州の“結納金”だった子安貝の帯 
 

インドネシア最東端のパプア州(旧イリアンジャヤ州)の中央高地、ジャヤウイジャヤ県の標高1,500メートルに位置するバリエム渓谷、そしてワメナ盆地。かつて“戦の広場”と形容された、その肥沃な高原に暮らすダニやラニ民族は、そのプリミティブ・アートの高い芸術性でもよく知られています。大自然と共生する暮らしぶりは、村人たちが創意工夫で生み出す、色々なアクセサリーからも見て取れます。バリエム川上流部で見つかるアンモナイトの化石と水晶の原石。そしてパニアイ地方で有名な野性蘭の黄色い茎。さらにはクスクス(有袋類のナマケモノ)や極彩色の翼を持つ鳥。それら自然物が持ち合わせている美しさに、ダニ・ラニ民族の感性が加わり、見事なアクセサリーが誕生します。
しかし画像はアクセサリーではありません。これは結婚に先立ち、花嫁の両親へ花婿側から送られる“結納金”です。とは言っても、現代のように貨幣が導入される以前の話です。当時、貨幣的価値を持った物は、ブタもしくは子安貝でした。子安貝は、何百キロも離れた海岸でしか入手できないため、その希少価値から、中央高地一体で、貨幣として流通していました。そこで、“貨幣”として貝貨が使われました。この帯が長ければ長いほど、花嫁の“価値”が高いとされました。この帯の場合、64個もの小安貝が使われていますから、普通の人々の5~10倍の価値を花嫁に見出したのでしょう。とても希少なコレクションです。
サイズは全長が約2.6m、幅は約3cm。重さはおよそ260グラム。子安貝の数は計64個。その昔だったら、莫大な貨幣価値をもっていたことでしょう。樹皮製繊維で編んだベースに子安貝が括り付けられてあり、それらの合間には野生蘭の茎(黄色)が織り込まれています。さらに中央部や両端には、クスクス(ナマケモノ)の毛が装飾されています。東バリエム渓谷のソバ(Soba)村で1970年代に入手したものです。
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